ネットや書籍ではうつ伏せになると眼圧が上昇し緑内障のリスクが高まる.また,緑内障も進行するという記事をチラホラみかけます.真相は?
もとになった論文などから私的な意見を述べます.
就寝時の姿勢と眼圧の関係は?
position and intraocular pressure in the lateral decubitus position
目的:
眼球内圧(IOP)に及ぼ側臥位の異なる頭位の影響を調べること。
方法:
17人の健康な韓国人被験者がこの前向き観察研究に含まれた。座位の被験者および仰臥位、右側臥位および左側臥位を含む臥位の眼圧を測定した。左右側臥位では、3つの異なる頭位(30度高く、30度低く、胸椎の中心に平行)でランダムな順序でIOP測定を行った。各姿勢を想定して5分後に両眼にICare Pro眼圧計を用いて眼圧を測定した。側臥位における下側の眼を従属眼と称した。
結果:
頭位にかかわらず、頭部位置が高い左側臥位を除いて、依存性眼は、側臥位の非依存性眼よりも高い眼圧を示した(左側臥位以外のすべての位置でp <0.001、p = 0.083)。低頭位は、横臥位の中立または高頭位置と比較して、依存性眼のIOPを有意に増加させた。
結論:
頭位が低いと、横臥位の中立頭位と比較して、依存性眼の眼圧が上昇する。枕の高さを適切に調節することで、枕が低い側または枕がない側に横たわって眼内圧上昇を緩和するのに役立ちます。
対象者は17人と少ない.ん,あまり低すぎる枕を使用すると眼圧は,下の方の眼で高くなるようですね.
頭の角度が30度ってことは,だいたい,枕なしで横向きに寝た場合ですね.よっぽど体格の大きい人で低い枕を使っている人なら30度の角度になるでしょうが.
一般的な体格の人なら枕を使っていれば,30度にはならないと思います.5・10度ではどうなる?か調べて欲しいです.
睡眠関連姿勢における眼圧上昇の意義
<要約>
眼内圧およびその変動は、緑内障の発症および進行に関連する。このレビューでは、睡眠関連の眼内圧上昇が緑内障の発症および進行に寄与する可能性について検討しています。また、高められた眼内圧への曝露を減少させる手段として、患者教育の可能性および行動の適切な変化も考慮される。「緑内障と睡眠」の組み合わせキーワードを用いたPubMed検索を実施した。検索から得られた187の代表的な記事から情報が得られた。選択された論文の参考文献にアクセスした後、追加の論文が見つかりました。いくつかの研究は、緑内障の進行と側臥位(側部睡眠)と仰臥位の睡眠姿勢の間の関連性を示している。起こりやすい睡眠位置が眼内圧を高値に上昇させる可能性があるという証拠は、より強い関連ではないにしても同様の類似性を示唆している。眼内圧上昇および睡眠の位置に関連する緑内障の進行は、非睡眠活動中に採用される睡眠関連の身体姿勢(例えば、読書、テレビ、日光浴)に関連する進行の同様のリスクがあることを示唆している。危険性または進行度を低下させることを目的とした緑内障患者の姿勢に関する管理には、特別に設計された枕の使用
うつ伏せで寝たら眼圧は高くなるようですね.あと.就寝時は眼圧が上がるとのこと.あれ?でもだったらずっと起きていれば眼圧が高い時間帯は低いのか?睡眠不足だとストレスがかかって眼に良くないからよく寝た方が良いって聞くけど・・・
そういえば,僕は睡眠時間が長い方です.睡眠時間と眼圧,緑内障の関係はどうなんだろう?
睡眠時間と緑内障について調べてたら,睡眠時無呼吸症候群の記事がありましたので紹介します.
睡眠時無呼吸症候群と緑内障
研究成果のポイント
・睡眠時無呼吸症候群患者が,何故,緑内障になりやすいのかを解明。
・無呼吸発作により呼吸が止まると,眼圧はどのように変動するのかを測定。
・呼吸と眼圧が関係するメカニズムについての考察。研究成果の概要
これまで,眼圧が時間帯や姿勢によって変動することが分かっていましたが,実際に睡眠中の眼圧を持続的に測定することは技術的に難しいとされていました。睡眠時無呼吸症候群患者は,緑内障になりやすいことが知られていますが,その理由は謎のままでした。
今回の研究では特別なコンタクトレンズ型の眼圧計を用いることで,無呼吸発作そのものは眼圧を上昇させることなく,むしろ眼圧を下げていることを世界で初めて明らかにしました。
引用:北海道大学プレリリース
睡眠時無呼吸症候群患者の夜間眼圧変動の測定に初めて成功
~睡眠時無呼吸症候群と緑内障発症の関係を解明~
ん,睡眠時に一時的に呼吸が止まることで,眼圧も下がる.そして,血中酸素飽和度も低下することで,血流不足になって,視神経にダメージが?で緑内障になりやすくなる.
眼圧が高くなくても起こる正常眼圧緑内障は低酸素状態によって引き起こされる?のではということ.
結局,はっきりしたことはまだ解明されていないということか,睡眠時の姿勢なんか,あんまり気にしてもしょうがないね.
日中はしっかりと働く,運動するなどする,夜はぐっすり眠れるように.当たり前ですが,規則正しい生活が一番,目にはやさしい.
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